小ネタ書き散らし用。


by SSS-in-Black

【100-41】大樹

原初、そこには白と黒が渦巻いていた。

それらはやがて沈殿し、「種」となった。

それは、同時期に生じた「宙」からの光を浴びて芽吹いた。


それはやがて「意識」を持つようになった。

「意識」は「宙」に焦がれ、それを目指すうちに「樹」へと育った。

「樹」は「枝」を巡らせ「葉」を生やし、その一つ一つが「世界」となった。

「世界」は「意識」の「夢」であり、そのひとひらひとひらが少しずつ違った色をしていた。


ところで――「宙」はあまりにも高く、「樹」は自重で崩れ落ちそうになるまでそこを夢見続けた。

そこで「意識」は自らを制御する末端組織を創りだした。

弱った葉や病にかかった葉を喰い荒らす「虫」。

その葉を適切に処理し切り落とす「断罪者」。

常に彼らのことを見守って指示を出す「門番」。


こうした存在に守られながら、「意識」は今日も「夢」――「世界」を生み出し動かしているのだ。





そしてその「意識」は一般に女性名詞として扱われる。

最初に誰が言い出したか等はわからない。しかしそれがしっくりくるために広く使われているのだというだけで。

この話――「世界」の創造――を知る者は限られている。

大半の「葉」、すなわち「世界」においてこの話を知る者は皆無といって良い。

ただそこに介入した「虫」や「断罪者」が何らかの形でこの話を伝えることがある。

また、「樹」のうちもっとも「宙」に近いといわれている「葉」においては、この話自体はやはり流布していないのだが、「意識」や「世界」の考え方を知る者は少なくない。

というのも、その「世界」は特殊な機構の上に成り立っているのだ。

端的に言えば、「意識」の生死を握っている、といったところであろうか。

とにかくその「世界」においては、一見ただの小市民であっても「断罪者」の劣化版のような力を持っている可能性があるのである。

そして「彼女」と呼ばれる「意識」を生かすか殺すかの闘いが、常に繰り広げられているのだ。





さて。

メイカは「断罪者」という「旅人」である。

彼ら「旅人」はほぼ自由に――途中、大半は「門番」の許可を受けなくてはならないが――「葉」と「葉」の上、すなわち「世界」と「世界」を行き来できる。

そのパスポートのような、強大な力を秘めた道具は「鍵」と呼ばれている。

「鍵」は「世界」と「世界」の間にいる「門番」というゲートを通るために必要とされる他、持つべき者が持てば「世界」を滅ぼす力を発揮する。

メイカの「鍵」はティアー・アイズと呼ばれる緑色の輝石であった。

それは己のいる「世界」により形を変えるという、かなり特殊な「鍵」であった。

――彼は今、寝台で再び眠りについたロッテの側で、荷物から取り出したそれを見ている。


「…全く、ただの迷信…ですよね?」


それは、真っ直ぐな白い剣であった。

刀身には透明な輝きを見せる緑色の線が入っており、それは束の所で美しい紋様を描いていた。


「…」


そしてそれが現れる度に、その「世界」ではあることが起こっていた。

――その「世界」の崩壊が。





+ + + + +


【ティアー・アイズ】…ちなみにメイカの出身世界では銃、クレオ達の世界では杖に姿を変えていた。


語りまくったといいますか。
なかなか進まなくて困ってます。
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by SSS-in-Black | 2009-03-03 21:17 | 【etc.】