【100-9】繁栄
2006年 11月 09日
戦火を 知らぬ子は見る 青空を 切り取ったのは 僅かな繁栄
姿を見ればそれは軍人、しかも、女性。
眼鏡の向こうから覗く藍玉色の瞳は、鋭かった。
手には拳銃、腰には長剣、美しい容姿に似合わぬ武装。
彼女は『魔導人形』であった、生まれついての兵士であった。
──おかしい、と思いつつ、だが旅人は真実を全くもって知らない。
人間ではないが、そうだとすれば何者なのだ? …見極めるため、再び構える。
一対一。旅人の脇には少女が立ち、精霊は風をその身に纏わせつつ浮遊している。
「「…」」
呼吸の音は、二つ。
旅人と少女のもののみ。
と──一つの声が、した。
「どこですか、フォルトさん?」
「! ──ここに」
がさがさと、新たな足音。
それが助けか、それとも危機か。
フォルトと呼ばれた女性軍人は、声に答える。
ほぼ同時に旅人は、少女の緊張が解けるのを感じる。
「おやおや、怪我までして…大丈夫ですか? 直ちに帰還して技術開発局へ向かい、修理を」
「はっ」
さっ、と手をあげて敬礼すると、軍人は素早く叢に消える。
そして、現れた男はと、いえば。
「おやおや、お久しぶりですね、クレオ」
白髪紅瞳、すらりと背の高い、やはり軍人。
その姿をみて、少女の顔は、輝きに満ちた。
「アブドル、さん」
+ + + + +
【フォルト・ラン・シエル】…紅茶色の髪に藍玉色の瞳を持つ、魔導人形の女性軍人
【技術開発局】…魔導人形の製作から修理までを手掛ける役所の名
ササミノートよりゲスト出演、フォルト嬢。
本当は相方も出したかったです、が、うん。
暴走しそうで怖くなりましたが何か。
姿を見ればそれは軍人、しかも、女性。
眼鏡の向こうから覗く藍玉色の瞳は、鋭かった。
手には拳銃、腰には長剣、美しい容姿に似合わぬ武装。
彼女は『魔導人形』であった、生まれついての兵士であった。
──おかしい、と思いつつ、だが旅人は真実を全くもって知らない。
人間ではないが、そうだとすれば何者なのだ? …見極めるため、再び構える。
一対一。旅人の脇には少女が立ち、精霊は風をその身に纏わせつつ浮遊している。
「「…」」
呼吸の音は、二つ。
旅人と少女のもののみ。
と──一つの声が、した。
「どこですか、フォルトさん?」
「! ──ここに」
がさがさと、新たな足音。
それが助けか、それとも危機か。
フォルトと呼ばれた女性軍人は、声に答える。
ほぼ同時に旅人は、少女の緊張が解けるのを感じる。
「おやおや、怪我までして…大丈夫ですか? 直ちに帰還して技術開発局へ向かい、修理を」
「はっ」
さっ、と手をあげて敬礼すると、軍人は素早く叢に消える。
そして、現れた男はと、いえば。
「おやおや、お久しぶりですね、クレオ」
白髪紅瞳、すらりと背の高い、やはり軍人。
その姿をみて、少女の顔は、輝きに満ちた。
「アブドル、さん」
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【フォルト・ラン・シエル】…紅茶色の髪に藍玉色の瞳を持つ、魔導人形の女性軍人
【技術開発局】…魔導人形の製作から修理までを手掛ける役所の名
ササミノートよりゲスト出演、フォルト嬢。
本当は相方も出したかったです、が、うん。
暴走しそうで怖くなりましたが何か。
by SSS-in-Black
| 2006-11-09 16:20
| 【100 title】