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小ネタ書き散らし用。


by SSS-in-Black

【100-9】繁栄

戦火を 知らぬ子は見る 青空を 切り取ったのは 僅かな繁栄


姿を見ればそれは軍人、しかも、女性。

眼鏡の向こうから覗く藍玉色の瞳は、鋭かった。

手には拳銃、腰には長剣、美しい容姿に似合わぬ武装。

彼女は『魔導人形』であった、生まれついての兵士であった。

──おかしい、と思いつつ、だが旅人は真実を全くもって知らない。

人間ではないが、そうだとすれば何者なのだ? …見極めるため、再び構える。

一対一。旅人の脇には少女が立ち、精霊は風をその身に纏わせつつ浮遊している。


「「…」」


呼吸の音は、二つ。

旅人と少女のもののみ。

と──一つの声が、した。


「どこですか、フォルトさん?」

「! ──ここに」


がさがさと、新たな足音。

それが助けか、それとも危機か。

フォルトと呼ばれた女性軍人は、声に答える。

ほぼ同時に旅人は、少女の緊張が解けるのを感じる。


「おやおや、怪我までして…大丈夫ですか? 直ちに帰還して技術開発局へ向かい、修理を」

「はっ」


さっ、と手をあげて敬礼すると、軍人は素早く叢に消える。

そして、現れた男はと、いえば。


「おやおや、お久しぶりですね、クレオ」


白髪紅瞳、すらりと背の高い、やはり軍人。

その姿をみて、少女の顔は、輝きに満ちた。


「アブドル、さん」





+ + + + +


【フォルト・ラン・シエル】…紅茶色の髪に藍玉色の瞳を持つ、魔導人形の女性軍人

【技術開発局】…魔導人形の製作から修理までを手掛ける役所の名


ササミノートよりゲスト出演、フォルト嬢。
本当は相方も出したかったです、が、うん。
暴走しそうで怖くなりましたが何か。
by SSS-in-Black | 2006-11-09 16:20 | 【100 title】